◎お茶の教科書◎お茶の種類・特徴・効能のまとめ

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お茶にはたくさんの種類があります。

同じ茶葉でも製造過程で大きく味が変わったり、それぞれ効果や特徴の違いを持っています。

それぞれの特徴を知ることで、より効果的にお茶を楽しめることができます。

◎お茶◎つくり方の違い

茶葉には酵素が含まれています。
この酵素の働きによって、摘採後に発酵(酸化)が起こります。
この発酵の進め具合で、お茶の種類が分けられ「不発酵茶」「半発酵茶」「発酵茶」「後発酵茶」の4種類があります。

☆不発酵茶
(日本のお茶はほとんどがコレ)
茶葉を摘み取った後、熱処理をすることで酵素を不活性化して作ったもの。
緑茶・玉露・ほうじ茶・玄米茶など

☆半発酵茶
茶葉を摘み取ったあと発酵させ、途中で止めて作ったもの。
烏龍茶など

☆発酵茶
(世界中で一番作られている)
酵素による発酵が完全に進んでから作られるもの。
紅茶など

☆後発酵茶
茶葉の酵素ではなく、麹菌や乳酸菌などの微生物で発酵させて作るもの。
プーアール茶など

お茶に含まれる主な有効成分と効能

★カテキン(ポリフェノール)
渋みがあり、タンニンとも呼ばれる。
成長した葉より若芽に多く含まれる。
日光に当たりテアニンが分解されると多くなる。
老化防止の抗酸化効果。
抗菌力による食中毒防止。
血中コレステロール・体脂肪の低下。

★テアニン(アミノ酸)
うまみ成分
被覆栽培する玉露や抹茶などに多く含まれる。
成長した葉より若芽に多く含まれる。
リラックス作用と神経細胞を保護する

★カフェイン
苦みがでる
若い芽に多く含む。特に玉露はダントツの含有量。
覚醒・利尿作用。
集中力や記憶力向上。
アルコール代謝を高め二日酔いにも効果的。
疲労回復・運動能力向上。
脂肪分解の促進。
※摂りすぎは睡眠障害や神経過敏、胃腸不調の原因に。

★ビタミン
特にビタミンCを多く含む。
煎茶に最も多く含まれる。
抗酸化効果でアンチエイジング
コラーゲンの生成を助ける。

★ミネラル
ナトリウムを排出するカリウムが含まれており、むくみ解消の効果。
カルシウムやリンが骨を丈夫にする。
亜鉛が認知症予防効果。

★フッ素
虫歯予防。
若芽より成長した葉に多い。

★サポニン
抗菌・抗ウイルス効果でインフルエンザ予防。
苦みとエグみがある。

★クロロフィル
デトックス効果
血液を綺麗にする殺菌効果

★GABA
アミノ酸の一種。
リラックス効果
血圧低下作用

お茶の種類とそれぞれの特徴

〇煎茶
緑茶の代表
摘み取ったお茶の葉を発酵させずに製造した代表的なお茶です。
食事と一緒に飲むことで血中コレステロールや体脂肪低下。
お寿司屋さんで煎茶が出るのはカテキンの抗菌作用で食中毒を防ぐためとの事。
ビタミンCを多く含み美肌効果もあります。
70℃前後のお湯で1~2分蒸した後の抽出がオススメ。

〇玉露
新芽が開き始めたころ被覆栽培で育てたお茶。
光を遮断して育てることでテアニンからカテキンへの生成が抑えられ、渋みの少ない旨味のあるお茶になります。
カフェインを多く含みますが、リラックス効果のあるテアニンも豊富なため強い覚醒感はありません。
低温の湯でじっくり抽出が旨味をひきだすポイント。

〇抹茶
日本発祥の伝統的なお茶。
海外では“スーパーフード”として人気です。
碾茶(茶葉に日光が当たらないように覆いをして育て、生葉を蒸した後茎や脈絡などを除いたもの)を乾燥させ、石臼で挽いたものでまろやかな甘みが特徴です。
抹茶は茶葉をまるごとすり潰して粉にするため、栄養素をふんだんに摂取できます

〇玄米茶
蒸してから炒った玄米に番茶や煎茶をブレンドしたお茶。
玄米と緑茶両方の成分を摂ることができます。
カフェインの割合が減るためお子様やお年寄りにもおすすめです。
ガンマオリザノール(コレステロールの吸収を防いだり更年期障害の予防効果)も含まれています。
高温・短時間で抽出するのがポイント。

〇ほうじ茶
煎茶や番茶を炒って作ったお茶。
炒ることで苦み成分のタンニンやカフェインが少なくなるので香ばしく飲みやすいのが特徴です。
ピラジン(血流促進で血栓を防止、気分を落ち着かせるリラックス効果)成分を含む。

〇烏龍茶
中国茶の一種
茶葉を摘み取ったあとに発酵させ、程よいところで炒って発酵を止めて乾燥させたものです。
サポニン(抗酸化作用、油分を分解する効果)成分が含まれており、脂質の排出効果もあるので、油モノの食事と飲むのもオススメ。
運動前に飲むことで脂肪燃焼効果も高まります。

〇プーアール茶
緑茶に麹菌などの微生物で発酵させたお茶です。
発酵度が高く、代謝を高め冷え性予防に。
脂肪燃焼効果。
脂肪吸収を抑制。
腸内環境の改善。

〇ジャスミン茶
緑茶や烏龍茶などのベースのお茶に茉莉花の香りをつけたお茶です。
花茶とも呼ばれ、沖縄の“さんぴん茶”もジャスミン茶の一種。
香り成分ベンデルアセテート(脂肪燃焼効果、脳のリラックス効果)を含みます。
PMSの緩和。ホルモンバランスの調整。
自律神経の鎮静・リラックス効果。
口臭予防。
アルコール分解作用。
抗酸化効果でアンチエイジングの美容効果。

茶葉以外のお茶

〇麦茶
大麦の種子を殻のまま炒って茶葉のかわりにしたお茶です。
ナトリウムを排出する―むくみを軽減、血圧低下の効果。
夏バテ防止、疲労回復、体温を下げる効果。
ノンカフェインで睡眠の質を向上、胃の粘膜を保護する効果。
ピラジンやP-クマル酸(抗酸化作用)を含みます。

〇はとむぎ茶
ハトムギを原料としたお茶。
ハトムギに含まれているコイクセラノイドというたんぱく質の成分が肌の新陳代謝を促進し、美容に優れた効果が特徴です。
食物繊維やカルシウム、タンパク質が豊富。
デトックス効果。
ノンカフェイン。
飲みすぎると子宮を収縮させるので妊婦さんは控えめに。

〇マテ茶
南米地域で生産されており、潅木(かんぼく)の葉や枝から作られる伝統的なお茶。
とても栄養価が高く“飲むサラダ”と呼ばれています。
ウーロン茶に比べてカルシウムが約29倍、マグネシウムが約12倍、亜鉛が約30倍とミネラルが豊富に含まれる他、食物繊維やポリフェノールが多いのも特徴。
アルコールや医薬品との併用は副作用の恐れもあるので注意が必要です。

〇ルイボスティー
南アフリカの山脈一帯にのみ自生するお茶。
SOD(スーパーオキシドジムスターゼ)という酵素の抗酸化作用が、老化防止、免疫向上、活性酸素抑制効果があります。
アレルギーやアトピー緩和。
ノンカフェインで安眠効果。
腸内環境の調整。
長く煮出して淹れたほうがより成分が抽出できます。

〇黒豆茶
大豆の仲間である黒豆を使用して作ったお茶。
黒豆の皮に含まれるアントシアニンに眼精疲労の回復効果があります。
大豆イソフラボンが美肌や骨粗しょう症に効果的。
栄養価がとても高いく女性ホルモンと似た働きをしますが、過剰摂取はホルモンバランスが崩れることも。
淹れ方は味の深みが増す“煮だし”がオススメ。
急須の場合は蒸し時間を7,8分と長めに。

〇そば茶
ルチン(ポリフェノールの一種)が血圧を下げ、ビタミンCの吸収を助ける効果が特徴。
動脈硬化や高血圧に効果的。
ノンカフェイン。
膵臓機能を高めるため糖尿病にもおすすめです。
生活習慣病改善・予防。

〇ゴボウ茶
食物繊維豊富なイヌリンを含んでいます。
便秘解消効果。
抗酸化効果や身体を温める効果、アンチエイジングでも注目されている
産後に飲むと母乳をサポートしてくれる効果もあります。

 

いかがでしたか?

お茶の素材を引き出し美味しく入れるには、使うお水や抽出温度、抽出の仕方も重要です。
お水は、硬水よりも軟水の方が適しており、水道水ではなくミネラルウォーターの方が雑味が少なくなります。
高温はカテキンやカフェインが抽出されやすくなり、
温度が低いほどアミノ酸のテアニンの旨味が出やすくなります。

それぞれの特徴を知れば、効果的に飲むタイミングや自分に合ったものなどの分かりやすくなりますね。

ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。