近年、免疫や抗菌効果で注目されている「ハチミツ」。
私がハチミツの良さに目覚めたのは、長野に住んでいたとき。
山の方にある「はちみつ蔵」というお店で、色々な種類のハチミツをテイスティングさせていただた際、「蜜によってこんなに味が違うんだ!」と驚きました。
「もっとハチミツの事を知りたい」
種類のよってどう違うのか、どんな効果があるのか
勉強すればするほど”ハチミツの魅力”に憑りつかれました。
この記事では、ハチミツがもつ栄養素と種類、活用法や注意点などを詳しく解説していきます。
ハチミツの魅力
栄養の豊庫
ハチミツにはおよそ190種類のたくさんの栄養素が含まれています。
代表的な栄養素はこちら↓↓
・有機酸 クエン酸、グルコン酸、コハク酸
・酵素 アミラーゼ、グルコース、オキシダーゼ
・ビタミンB群 ビタミンB1、B2、B6、ニコチン酸、葉酸、パントテン酸、コリン
・アミノ酸 20種
・ミネラル カルシウム、鉄、銅、マンガン、カリウム、マグネシウム
・抗酸化物質 ポリフェノール(フラボノイド)
著:前田京子さん『ひとさじのはちみつ』という本の中で、3か月間ハチミツと牛乳のみで元気に生活した方の話が取り上げられています。
それほど栄養がぎゅっと詰まった、いわば「栄養剤」として優れた食べ物なのです。
唯一、ハチミツにはビタミンCの含有量が少ないのでビタミンCと一緒に摂ることが推奨されています。
強い抗菌作用、殺菌作用
ハチミツはPH3.2~4.9の酸性です。
抗菌・殺菌力が強いので常温で保管してもばい菌が繁殖できません。
つまり、非常食や保存食にも最適。
体内に侵入したウイルスや細菌を撃退してくれるため、食中毒予防や免疫強化にも効果的です。
また、グルコースオキシダーゼという酵素がつくる”過酸化水素”(これは消毒液オキシドールの成分と一緒)と、グルコン酸に殺菌作用があるため、外傷、皮膚、粘膜の損傷、炎症の治癒などの効果も期待できます。
腸内環境を改善
ハチミツに含まれる「オリゴ糖」と「グルコン酸」が活躍します。
善玉菌のエサとなるオリゴ糖。
腸内ビフィズス菌を増やし腸の動きを活発にしてくれるグルコン酸。
これらが、腸の善玉菌を増やし悪玉菌を抑制してくれるため、腸内環境改善してくれるのです。
腸についての関連記事:
砂糖と比較して血糖値の上昇が緩やか
ハチミツは砂糖に比べて、血糖値の上昇を示す「GI値」が低いことが証明されています。
参考元:医学論文解読 : 砂糖を減らして、蜂蜜にすべきだ。|snoopyio|note
重さで比較すると、カロリーも低いのです。
※ハチミツは液体で、砂糖よりも重さがあるため量で比較するとハチミツの方が高くなってしまうので注意。
(大さじ1杯=ハチミツ21g:砂糖9g)
砂糖(21g)のカロリー:82kcal
ハチミツ(21g)のカロリー:67kcal
同じ甘味なら栄養もしっかり摂れるハチミツの方が良いですね!
ハチミツの種類
蜜の種類によって、味や栄養効果が違いがあります。
ダントツで栄養価の高い『マヌカハニー』
ニュージーランドに自生するマヌカの花から採れる蜜。
ニュージーランドでは「メディカルハニー」とも呼ばれています。
メチルグリオキサール(MGO)というマヌカ独自の優れた抗菌成分が含まれており、胃のピロリ菌やサルモネラ菌、大腸菌、虫歯のミュースタンス菌などの退治にとても効果的です。
マヌカハニーは「MGO100+」「MGO300+」といった数値をよく見かけますが、これはメチルグリオキサールの含有量のこと。
数値が高いほど殺菌力に優れ、価格も高価になってきます。
2番目に栄養価が高いといわれる『そば蜜』
ハチミツの中で、ミネラルの「鉄分」、ポリフェノールの「ルチン」がとくに豊富に含まれます。
色が濃くクセが強いですが、黒糖のような香ばしさが特徴です。
貧血気味、風邪予防、高血圧の方などにおすすめです。
※そばアレルギーの方は避けましょう
アカシア
結晶しないのが特徴。
結晶するのはブドウ糖が低温で固まる性質のせい。アカシアは果糖の割合が高いため結晶しないのです。
色は淡くマイルドな味わいで、サラッと食べやすいハチミツ。
ハチミツの中ではGI値が低いのが特徴。
固まらず冬でも扱いやすいので、固まるのが嫌な方にもオススメです。
レンゲ
淡い黄金色で、ほんのり花の上品な香りが特徴。
クセがないので活用法も広く、食べやすいハチミツです。
中国原産マメ科の植物なので中国産がよく流通しています。
国産もありますが、近年は採蜜量が減ってきており希少になりつつあります。
百花蜜
百花蜜とは地域に咲く複数の花から採取される蜜のこと。
ブレンド蜂蜜ですね。
日本に昔から生息している「二ホンミツバチ」の習性を利用して採取されます。
(反対に、同一の花の蜜を集める習性があるのは「セイヨウミツバチ」です)
季節や地域によって集められる蜜も違うため、モノによって様々な味わいや香りが楽しめます。
選ぶ時の目安としては、色が薄いほど食べやすく、色が濃いほどクセは強くなりますが栄養効果が期待できます。
トチ
トチハニーもアカシアハニーに次いで、果糖の割合が多く結晶化しにくいハチミツです。
トチ特有の華やかな香りが特徴です。
独特な香りともいわれますが、風味は酸味とのバランスがよく食べやすいハチミツです。
香りを生かして料理の臭み消しに使ったり、紅茶やハーブティにもおすすめ。
ハチミツの選び方
はちみつの作り方は3種類あります。
①純粋はちみつ
ミツバチが、「植物の蜜を採取」→「ミツバチの酵素で分解」→「羽を羽ばたかせて水分を飛ばし、巣に蓄えていく」という流れを時間をかけてゆっくり熟成させたもの。
②精製はちみつ
純粋はちみつから色やにおいをとり除き加工したもの。
③加糖はちみつ
純粋はちみつに果糖ブドウ糖液糖を加えたもの。
純粋はちみつの含有量が60%以上でないとならない決まりがあります。
参考元:はちみつ類の表示に関する公正競争規約 – Wikipedia
②や③は「加工はちみつ」です。
加工はちみつは、熟成されていない未熟なはちみつの水分を飛ばすために加熱加工がされていたり、水あめや人工甘味料が加えられていたりと、本来はちみつが持つ栄養効果が損なわれてしまっています。
商品をしっかり見て「純粋はちみつ」を選びましょう。
ハチミツの活用法
食べ方
食べる時間
ハチミツは食べる時間によって以下の効果が期待できます。
朝=脳を活性化、元気にする
夜=細胞再生、修復、動脈硬化予防、睡眠の質が向上
量は1日スプーン1,2杯(30g以下)がベストです。
効果別の組み合わせ
①免疫力向上「プロポリス×ハチミツ」
プロポリスは自然治癒力を高め、予防や体質改善にも効果的。
また、ハチミツと同じく抗菌・殺菌力の高さから免疫対策にはぴったりです。
②熱中症対策に「ハチミツ×レモン(ライムでもOK)」
ハチミツ(大1)+レモンorライム(大1)+塩(小1/4)+水500ml
ハチミツに不足しているビタミンCも一緒に摂取。
また、汗をかいた時に流れてしまうナトリウム(塩)をひとつまみ入れて熱中症対策に。
③血管をつよくする「コーヒー×ハチミツ」
コーヒーに含まれるカフェインとクロロゲン酸には以下のような効果があります。
カフェイン=血管拡張作用→血流を良くする
クロロゲン酸(ポリフェノール)=抗酸化作用→血管を傷つけてしまう活性酸素を抑える
高血圧の方にオススメです。
④血糖値対策に「トースト×シナモン×ハチミツ」
血糖値の上昇をハチミツが抑えてくれるので、血糖値が上がりやすいトーストにはうってつけ。
さらにシナモンには抗酸化・抗炎症・抗菌性などの多くの効能があります。
⑤骨をつよくする
「ヨーグルト×ナッツ×ハチミツ」
ヨーグルトやナッツにも含まれる「カルシウム」との摂取で相乗効果。
ナッツは骨代謝をUPさせるビタミンKも豊富です。
フェイスケア
殺菌作用がアクネ菌を抑え、にきびや吹き出物にもオススメ。
ピーリング(古くなった角質を取り除く)作用もあるため、週に1回の角質ケアとして継続すると、毛穴汚れや毛穴開きにも効果的。
《やり方》
①メイク落とし・洗顔
②目の周りを避けてハチミツを顔全体に塗る
③ラップして5~10分放置
④ぬるま湯でしっかり流す→いつものスキンケア
ハチミツ軟膏
消毒、殺菌効果のあるハチミツは傷や火傷などの外傷の治癒力を高めてくれます。
ハチミツが持つ保水性により、老廃物を含むリンパ液の排出を促す効果も。
やり方は、患部を清潔にした後、ハチミツを塗った絆創膏またはガーゼを当てておく。
そうすると1,2日後には傷口も乾燥してきて、治りが早くなるでしょう。
はちみつの注意点
ハチミツには「ボツリヌス菌」という毒素が含まれている可能性があります。
大人は腸内細菌が相殺してくれるので問題ありません。
しかし腸内環境が整っていない赤ちゃんは、腸で菌が増殖し「乳児ボツリヌス症」を引き起こすリスクがあるため注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
どのハチミツを選んでも優れた栄養効果は得られます!
大事なのは自分に合った食べやすいハチミツを、毎日継続して“ひとさじ”摂ること。
なにごとも継続は力なりです!
ぜひライフスタイルにハチミツを取り入れてみてください。