『睡眠』は人生を左右する
近年、睡眠についての注目度はますます高まっています。
「朝起きても疲れがとれていない」
「昼間に眠くなり集中力が続かない」
「眠りが浅い気がする」
「夜中に起きてしまう」
「寝つきが悪い」
など、『睡眠』に関してなにかしらの悩みを抱えている方が増えているのです。
単純に睡眠時間が少ない睡眠不足の方はもちろん、たっぷり寝ている方でも“質”の悪い睡眠をとっていると同じこと。
このような状態を『睡眠負債』ともいいます。
この睡眠負債を放置して溜めてしまうと深刻な病気に繋がっていくこともあるのです。
この記事では、人生をいつまでも健康に過ごすために『睡眠の質』を良くする方法を詳しく解説していきます。
睡眠負債が引き起こすこと
まず、睡眠負債が続くとどのようなリスクがあるのか。
それは以下のようなことが言われています。
・理解力、判断力が下がる
・疲労が回復できない
・免疫力が下がる
・太りやすくなる
・遺伝子をむしばみ、病気のリスクが高まる
・自律神経が乱れストレスを感じやすくなる
・高血圧になる
・認知症リスクが上がる
・寿命が短くなる
睡眠の重要性をひしひしと感じますね。
逆を言えば、“良質な睡眠”がこれらの問題を解決してくれる鍵になるのです!
それでは、睡眠負債にならないためにはどうしたらよいのでしょうか。
理想の睡眠時間
理想の睡眠時間は『7~9時間』といわれています。
この理想の睡眠時間とは、「日中にしっかり頭が働くこと」を指標としています。
個人差がありますので自分に合った時間を見つけることが大事ですが、
多くの方は7時間半前後がベストになりやすいといわれています。
しかし、理想の睡眠時間を毎日しっかりとることが難しい方もいるかと思います。
そんな方は次の『眠り始め』を意識することで良質な睡眠を手に入れることができます!
『入眠90分』がカギ
理想の睡眠時間の確保が難しい方は、眠り始め『入眠90分』を意識すること。
その理由は2つあります。
《その1》
レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の関係です。
寝ている間はレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しています。
眠った直後にまず訪れるのはノンレム睡眠(深い眠り)。
この最初のノンレム睡眠が睡眠全体で一番深く眠れるところです。
そしてこのノンレム睡眠中に、脳の脳脊髄液の代謝が行われることが米研究チームから発見されています。
脳疲労を感じる時はこの脳脊髄液の新陳代謝が悪く、老廃物が排出されずに滞っていることが原因として考えられます。
また、明け方になるにつれてレム睡眠(浅い眠り)の時間・間隔が徐々に長くなっていき、そのレム睡眠の時に目覚めることができると“スッキリと起きた”と感じることができるのです。
《その2》
『グロース(成長)ホルモン』の分泌に関係しています。
「グロース(成長)ホルモン」はアンチエイジング効果があることから別名「若返りホルモン」とも言われています。
このグロースホルモンは、おもに細胞の成長や新陳代謝を促して骨や筋肉を作り、皮膚の柔軟性を維持する働きをしています。
骨粗しょう症や筋肉の減少を予防、歩行機能を維持、そして若々しい肌を保つうえでも欠かせないホルモンです。
そしてこのグロースホルモンは、“寝入りの90分″で1日の総量の70~80パーセントが分泌されるとのこと。
さらにその分泌量は“ノンレム睡眠の質”に大きく影響します。
つまり、ノンレム睡眠の最初の90分を深く眠ることができれば、「グロースホルモン」の大半が確保でき、体調も回復、翌日のパフォーマンスが上がるということです。
さらに特殊な事に、このグロースホルモンは起きている時間はまったく分泌されないとのこと。
寝ている間に「グロースホルモン」を最大限に分泌させることが若さを保つ秘訣でもあるのです!
良質な睡眠の習慣化行動
朝日を浴びる
ヒトや動物には1日の身体リズムがあります。
これは『サーカディアンリズム』ともいい、いわば「体内時計」のことで、生活習慣や健康に大きく影響があります。
このサーカディアンリズムは、約24時間周期でリセットされるのですが、ヒトはそれよりも1時間ほど長く、約25時間周期だといわれています。
普通に暮らせば毎日1時間ずつズレていってしまいますが、きちんと24時間リズムに合わせた生活ができるのは「同調因子」によるものです。
この同調因子(24時間周期に合わせる力)になるのが、毎朝太陽の光を浴びること。
朝一番にカーテンを開けて光を浴びるだけで
サーカディアンリズムはリセットしてくれます。
逆に、休息するはずの夜にスマートフォンやパソコンのブルーライトを浴びると、体内時計は1時間、2時間と伸びていってしまいます。
朝は光をたっぷり浴びて体を目覚めさせ、夜は眠る状態へするため照明などの光を徐々に暗くしていくと効果的です。
夕食は寝る3時間前に済ませる
これも体内時計をリセットさせるため。
寝る前まで食べ物を食べていたりすると、寝ている間に胃腸が働き、内臓をコントロールしている自律神経が休めなくなります。
3時間前には済ませていたとしても“食べ過ぎ”は同様です。
逆の夕食を抜いてしまうのもNG。
空腹状態だと覚醒作用のある交感神経の「オレキシン」が分泌され、眠れなくなる場合があります。
夕食は寝る3時間前までに、腹8分目を意識しましょう!
お酒を控える
「お酒を飲むと寝つきが良くなる」とたまに聞きますが、睡眠の質にお酒はNG。
寝る前にお酒を飲むと、睡眠途中で目が覚める中途覚醒や、早朝に目が覚める早朝覚醒もおき、眠りが浅くなるため睡眠の質を悪くします。
これは、アルコールを分解する際に発生する『アセトアルデヒド』という有害物質が睡眠を妨害するからです。
睡眠だけでなく、「アセトアルデヒド」には活性酸素を発生させ身体をサビさせる老化リスクや、発がん性が高いと言われています。
また、アルコールには利尿作用や寝汗をかきやすくなることから“脱水状態”となり、血液が固まりやすく血管が詰まりやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高まります。
そしてお酒を飲んで仰向けに寝ると、いびきが多くなり、睡眠時の無呼吸のリスクも上昇します。
お酒にはリラックスの「副交感神経」を優位にする効果や依存度も高いので、ストレス環境にいる場合は身体が勝手に頼ってしまう方も多いですが、睡眠や健康には悪影響です。
常習的に飲むのではなく、“特別な日”の楽しみにしていきましょう!
入浴する
ヒトは深部体温(体内の温度)が下がる時に眠くなると言われています。
この深部体温を下げるためには、入浴で強制的に上げると効果的。
体温が上がると身体のホメオスタシス(恒常性)で元に戻ろうと働くため、深部体温が下がっていくのです。
ベストな入浴時間は?
就寝のおよそ90分前です。
入浴で温まった深部体温の熱が手足から放出されていくのがだいたい入浴して90分後頃と言われています。
靴下をはいたまま寝るのは体温調整が上手くできず睡眠の質を下げてしまうのでNGです。
お風呂のお湯の温度は?
理想は40℃程度
寝る前に適した温度はぬるめのお湯です。
ゆったりと入る事で、副交感神経を高めてくれます。
熱いお湯の方がしっかり汗をかき、老廃物も流せてスッキリしそうな気がしますが眠る前には逆効果。
42℃以上のお湯で入ると交感神経が働き身体が興奮状態になるので、なかなか寝つけなくなる可能性があります。
ぬるくて寒いなと感じる場合は炭酸の入浴剤がオススメ。
毛細血管を拡張し血行促進効果があるので身体を芯から温めてくれます。
入浴時間は?
15分ほどがベスト
短時間では深部まで温まることができず、長すぎも脱水症状や肌の乾燥、肺や心臓の負担になってしまいます。
温かいタオルを目にあてて、頭をからっぽに、瞑想しながら温まるのも良いでしょう♪
水を摂る
朝は白湯=体温を上げることで覚醒
夜は水=内部体温を下げることで眠りに
水を飲むことのメリットについてはこちら↓
《白湯を飲むことのメリット》
・基礎代謝UP
・内蔵機能回復
内蔵温度が1℃上がると基礎代謝も約10~12%上昇して脂肪燃焼率がよくなります。
ダイエットにも最適ですね♪
・排出機能の促進
・冷え性の改善
体内で酵素が働きやすい身体の深部体温は37.2℃前後。
深部体温が高くなると血液の循環が促進され老廃物の排出が高まります。
白湯を飲むことでむくみや便秘の解消、冷え性の改善につながるのです。
寝る1時間前はスマホを見ない
デジタル機器からの光は、自然光や家の照明とは違い非常に刺激の強い直接光です。
そしてデジタルの画面は静止している様にみえますが、画像も文字も点滅をしているため、目や脳への刺激が強くとても疲労させます。
またデジタル機器を使う時は肩が上がったり首が前に出たりと、身体に負担のかかる乱れた姿勢になりやすいです。
また、スマートフォンからは常に電磁波が出ています。
その電磁波は睡眠を妨害してしまいます。
特に子供の脳にはよくないと言われています。
眠る時はなるべく頭(脳)から離れた場所にスマートフォンを置きましょう!
ベッドの下か足元に置くのおすすめです♪
まとめ
いかがでしたか?
睡眠の質と健康に過ごすことは大きく関係しています。
副交感神経を優位にさせてよりリラックスした状態で寝るにはアロマを焚いたり、ドライヘッドスパで頭をマッサージしてもらうのもおすすめ☆
睡眠の質を変えると人生が変わっていきます♪
ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。